Symptoms

こころの症状

Symptoms

心の不調(病気)って
どんなもの?

「心の不調」は、決して「根性なし」「性格のせい」「精神力が弱い」といったことではありません。誰にでもいつでも「心の不調」が起こる可能性はあるのです。心の病気は決して特別なものではありません。 私たちの感情(喜怒哀楽)には、数億という脳の神経細胞にある様々な情報伝達物質が大きな役割を果たしています。感情だけではなく、物の見方・考え方(認知)、そして私たちがとる行動にも、この情報伝達物質が深くかかわっています。脳が過剰なストレスを受け続けると、この情報伝達物質がスムーズに作用しなくなることがあります。その状態が続くと「脳の不調」が起こり、これが「心の不調」として様々な症状となり現れる場合があるのです。このように、「心の不調」は言い換えると「脳の不調」でもあります。以下に示しますように、「心の不調」では、脳にまつわる様々な症状が出現します。

このような症状は
ありませんか?

このような症状が気になる方はお気軽にご相談ください。

主な疾患

このような病気が気になる方はお気軽にご相談ください

  • 01
    うつ病

    気分が憂うつになり、やる気が起こらなくなる心の病気です。疲労や思考力の低下を感じる場合もあります。絶望感や罪悪感が強くなり、自殺などの危険が高まることもあります。過重労働だけでなく、転勤や昇進、引っ越しなどが契機になる場合もあります。気分の落ち込みは目立たず、不眠や食欲低下、頭痛などからだのあちこちに不調が現れる場合(仮面うつ病)や、比較的軽度の抑うつが、慢性に長期間続いてしまう状態(気分変調症)等もあります。

  • 02
    躁うつ病(双極性障害)

    うつ病のようなうつ状態の症状のみならず、躁状態(おしゃべりになる、気分が高揚する、活動的になる、怒りっぽくなる、金遣いが荒くなるなど)の症状があり、うつ状態と躁状態を繰り返す気分の病気です。うつ病と診断されている方の中には、経過中にこの病気に移行していく方もいます。

  • 03
    不安障害

    自分ではコントロールできないような過剰な不安に襲われる心の病気です。心配事や悩み事を気に病むあまり、イライラしたり疲れやすくなる(全般性不安障害)、人前で話したり食事する事などが怖くなる(社交不安障害)、ある特定の物が極度に怖くなる(恐怖症)などが含まれます。

  • 04
    パニック障害

    パニック発作と呼ばれる強い不安や恐怖の発作に襲われる心の病気です。発作の時に動悸、窒息しそうな感じ、めまい感、気が遠くなる感じなどの症状がみられますが、検査をしても身体に異常はみつかりません。ただ、死んでしまうのではないかと感じるほどの強い不安のため、また発作を起こすのではないかという心配を伴うようになり、人の助けを得られない状況や、発作から逃げられない状況を避けるようになってしまいます。

  • 05
    強迫性障害

    その考えの内容が「不合理」だとわかっていても、頭から追い払うことができずに、何度も手を洗ったり、何度も戸締りを確認してしまい、その行動をなかなか止められなくなります。その行為に時間を取られすぎて日常の生活に支障が出てくると問題です。「車で誰かを轢いていないか」「すれ違いざまに誰かを傷つけていないか」などの考えに囚われて、周囲の人や警察に何度も確認してしまう加害恐怖などが出現する場合もあります。

  • 06
    睡眠障害

    「眠れない」いわゆる不眠症と、「眠りすぎる」過眠症が代表的です。睡眠障害が単独で起こることもありますが、うつ病や不安障害などの他の精神障害には多くの場合併発します。その他にも足がむずむずして眠れない「むずむず足症候群」や、睡眠中に何度も呼吸が停止してしまう「睡眠時無呼吸症候群」などもあります。

  • 07
    自律神経失調症
    (身体表現性障害)

    からだがストレスに反応して、からだのさまざまな部分に症状を起こしたものと考えられます。頭痛、めまい、胃痛、下痢、動悸、のどのつまり感、肩こり、しつこい咳、じんま疹などとして現れることがあります。検査をしても症状に見合った身体異常はなく、症状が長く続きます。このような状態が更年期に現れると、「更年期障害」と区別がしにくくなりますが、更年期障害は、加齢等で内分泌(ホルモン)のバランスが崩れることで、自律神経の働きが鈍くなる状態です。更年期障害は、中高年の女性に多いと言われていますが、中高年の男性にも症状がみられます。

  • 08
    摂食障害(過食症)

    欲求不満やストレスを、食べることで紛らわすことが習慣になってしまった状態です。食べて吐いてまた食べるということを繰り返す行動にハマってしまい、抜け出ることが難しくなります。摂食障害には、過食症だけではなく、食事を摂らなくなる拒食症もあります。いずれも、背景にはいろいろな心理的な問題が隠れている場合が多いため、他の精神疾患と合併することも少なくありません。

  • 09
    統合失調症

    音やけはいに敏感になり、周囲に誰もいないのに自分を批判したり脅したりするような声が聞こえたり、頭の中で複数の人が会話したりするような幻聴などが起こる場合があります。現実には起こりえないことを信じ込んでしまい、誰かに監視されている、悪口を言われている、いやがらせを受けているというような妄想も出現する場合があります。これら幻覚や妄想にとらわれて混乱してしまう心の病気です。幻覚や妄想が改善しても、意欲が減退したり、感情の起伏が乏しくなったり、家にひきこもりがちになるなどの症状が長く続く場合があります。

  • 10
    認知症

    最近のことがらを忘れてしまう、場所や時間がわからなくなる、お金の支払いがきちんとできなくなるなど、老年期に見られる病気です。進行性の病気ですので、「年だから」と諦めず、早期に手当をはじめることが大切です。記憶力の問題だけでなく「そこに子供がいる」などの幻視(実際に見えないものを見えると言う)が出現する認知症もあります。老年期前に起こる若年性認知症もあります。

  • 11
    心的外傷後ストレス障害
    (PTSD)

    大けがを負う、虐待を受けるなど、危うく死んでしまいかねないような出来事を経験したり目撃したりすると心にも外傷を受け、強い恐怖や無力感や悪夢などに長期間悩まされる場合があります。体験の記憶が、自分の意志とは無関係に思い出される「フラッシュバック=再体験症状」や体験の記憶を全く思い出すことができなかったりすることがあります。

  • 12
    依存症

    むなしさや不満を口にすることができず、現実から逃避し、不安や緊張を和らげたり嫌なことを忘れるために、アルコール・薬物・ギャンブルなどが手放せなくなってしまう状態です。依存症の回復はひとりでは難しいことが多く、専門的な治療を受けながら、依存症の問題を抱えた人同士でミーティングや情報交換を行いながら、回復を目指していくことが必要になります。

  • 13
    パーソナリティ障害

    人格の偏りから、些細なことで周囲の人と衝突してしまいトラブルを起こしてしまう、仕事を続ける意欲がなくなってしまう、夫婦関係がうまくいかないといった問題を抱えやすいといわれています。本人が生きづらさを感じていたり、周囲がどのように対応すればよいか悩んだりする場合に問題となります。

  • 14
    発達障害
    (神経発達症)

    生まれつきの脳の障害で言葉の発達が遅い、対人関係をうまく築けない、特定分野の勉学が極端に苦手、落ち着きがない、集団生活が苦手、などの症状が現れる状態を言います。症状は障害のタイプによって大きく異なりますが、病気というよりは本人の特性と言えます。幼児期から他者とのコミュニケーションが極端に苦手、こだわりが強い、融通が利かないといった症状が見られる自閉症スペクトラム障害や、注意力が極端に散漫で片付けや段取りができない、時間管理が困難、衝動性が高いなどの特徴がある注意欠陥・多動性障害などがあります。学業・集団行動・対人関係に支障をきたすことも少なくありません。

  • 15
    解離性障害

    意識や記憶などに関する感覚をまとめる能力が一時的に失われた状態です。この状態では、意識、記憶、思考、感情、知覚、行動などが分断されて体験されます。
    例えば、特定の場面や時間の記憶が抜け落ちたり(健忘)、記憶のないまま行動してしまい気づいたら違う場所にいたりする現象などが起こります。声が出なくなったり立てなくなるなど(転換)、身体面に症状として現れることもあります。
    こうした症状が深刻で、日常の生活に大きな支障をきたしてしまう場合は治療が必要です。